13.浪花ごよみ
作詞:岸元健介
作曲:岸元健介
間口五尺で 腰掛け五つ
こんな店でも 夢の城
ないないづくしで 始めたお店
見せちゃいけない この娘(こ)にだけは
苦労…涙と その理由は
胸に隠して 胸にたたんで 浪花で生きる
わずか一才乳飲み子を
抱いて夜汽車に飛び乗った
あてもないまま浪花の地
声をかけられ情けに触れて
ここで…も一度生きると決めた
母と娘の物語
(台詞)
「ちょっと!あんた!そう、あんたやがな…
この寒空に、乳飲み子抱えてどないしたんや?
もし行くとこないんやったら
ちょうど、わいの店が一軒、空いてるさかいやってみいへんか?」
そう声を掛けて下さったお人がいて、
その人のお世話になって出せた店
ほんま…あの人のご恩は一生忘れへん
見よう見真似の 小料理だけど
あとは笑顔の かくし味
ひとりふたりと 馴染みも増えて
人の情けに しみじみ泣ける
嬉し涙も 知りました
やっと見つけた やっと灯した しあわせ灯り
(台詞)
暮し向きもようなって、お母ちゃんの人生も、
これからやという時に、
ほんまあっけのう逝ってしもた
働いて、働いて、
働きづめの人生、苦労しか知らん人やったなぁ
お母ちゃん、うち、
お母ちゃんの分まできっと幸せになるからね
母の形見の 綸子(りんず)の着物
袖を通せば 泣けてくる
泣いたらあかんと 浪花の空で
叱るあなたの こころを継いで
泣きはしません 今日限り
夢をひろって 夢を紡いで 浪花で生きる
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